概要
Potsdam Drewitzは、ポツダム市で2009年に策定された「ガーデンシティ・ドレヴィッツ」と呼ばれる、省エネ改修と気候変動対策を中心とした地区全体の開発計画のうち、パイロットプロジェクトとして改修を行った集合住宅の事例である。
ポツダム・ドレヴィッツ地区は、1980年後半に旧東ドイツ政府が開発を進めた、プラッテンバウ(板状住宅)と呼ばれる集合住宅を中⼼に構成された街である。その雰囲気は⽇本の⾼度経済成⻑期の団地の⾵景と共通する部分も多く、建物の⽼朽化や居住者の⾼齢化、世帯⼈員の減少、地区環境の悪化などの問題が生じていた。
このドレヴィッツ地区の課題に対処するため、省エネ都市改修の計画が策定された。対象地区は38.8ヘクタールで、約3000世帯、5500人の住民が暮らしている。地区内には保育園から学校、病院、ホテルまでが存在し、ポツダムの中心部と結ぶ路面電車も運行されている。
特徴
「ガーデンシティ・ドレヴィッツ」の基本コンセプトは、1.建築分野、2.エネルギー分野、3.交通分野、4.都市計画分野の4つの分野から構成される。
建築分野での主要な取り組みは、既存建物の省エネ改修である。地区中央の路⾯電⾞が⾛る⼤通り「コンラッドヴォルフ通り」に沿った部分をパイロットプロジェクトとして改修し、さらに街区周縁部に広げている。パイロットプロジェクトは延べ⾯積1万6700m2という規模であり、⼯事総額は1900万ユーロ(約23億4000万円、1ユーロ=123円として計算)だった。
改修資⾦はおおむね3割を建築主であるポツダム住宅公社が負担し、3割をポツダムの財政負担、残る4割をドイツの国営⾦融機関であるドイツ復興⾦融公庫の省エネ改修プログラムによる融資となっている。
環境配慮とサスティナビリティ
既存建物の省エネ改修では、外壁や屋根の断熱強化、窓や扉といった開⼝部の取り換えによって、最⼤のエネルギー消費源である暖房エネルギー消費を削減を実現している。また、生活空間をより豊かにするためにバルコニーの増設がされているが、その工事の際には、既存躯体に接する面には専用の断熱材設け、ヒートブリッジを防いだ納まりとしている。
改修の結果、既存建物の最終エネルギー消費を1m2当たり年間104.5kWh/(m2•a)から改修後51kWh/(m2•a)に半減した結果となった。さらに、省エネ改修と併せて、エントランスのバリアフリー化や、1階にバリアフリー住宅を整備するなどの対応も行なっている。